今週のお題「秋の空気」
秋の空気と言えば、焚火の匂い。子どものころ、父が庭掃除の後に、からの一斗缶に四角い窓を開けた中に木の枝や庭の落ち葉を入れて、焚火をしていたっけ。それを側でじーっと見ているのが好きだった。はじめはパチパチと上がっていた炎がだんだん静かになって、おしまいのころは白い煙が上がっていたっけ。その時の煙が、秋のひんやりした空気と混ざって、なんともいい匂いだっだ・・・
通っていた小学校の正門の奥に、大きな金木犀の樹があったっけ。花が散る頃になると、一面オレンジのじゅうたんになって、歩くのがもったいなかった。秋の細かい霧雨がじゅうたんを濡らしていたっけ。吸い込んだ秋の空気は、しっとりと土の匂いがした・・・
ふと顔を上げると、我が家の猫の額よりも小さな庭にある金木犀も、ほのかな香りを放っています。そう、中古のこの家を買ったとき、しばらくして金木犀があることに気づき、すごく得した気分になったことを思い出しました。それももう、10数年以上前のこと。ここに引っ越してきたのも秋でした。秋の空気を感じると、この家に住み始めた日々のことを思い出します。
金木犀の下には、これでもかというくらいローズマリーが茂っています。ローズマリーの花は秋に咲くそうですが、我が家のローズマリーさんは、花を咲かせることを知らないようです・・・ そのかわり、見事な成長ぶり。放りっぱなしなのに、こんもりとした茂みになっております。土との相性がいいのかしら。
雨上がり、ローズマリーの香りもしているかしら? それはちょっと定かではありませんが(香っているのは、明らかに金木犀の方)、今週のお題にこじつけて、秋の空気を感じながら庭のローズマリーと向き合うということで、書いてみようと思います。
まず、朗報。ローズマリーは「若返りのハーブ」とか「記憶力のハーブ」と言われていますが、筋肉疲労にも効果を発揮するんですねー。骨折リハビリ中の私には、うってつけ。この際、がっつり利用しちゃおうじゃありませんか。
といっても、手間がかかることはすぐにできないし、続かない。簡単な利用法はないかしらとネットで探して、いいなと思ったのが、次の3つです。
お風呂に入れる
葉っぱを乾燥させるということはもちろん、葉っぱを枝から外すということもしません。一枝をそのまま洗濯ネットにいれてお風呂に浮かべるだけでいいそうです。目から鱗です。手軽なのが一番。早速今晩やってみよう。ローズマリーは殺菌作用や筋肉疲労を和らげる(これですね!)効果があるということで入浴剤によく使われていますから、「葉っぱ浮かべお風呂」も、いけるんじゃないですかね。
ハーブティー
葉っぱを乾燥させるといいのかもしれませんが、手軽を旨とするので、生葉を使います。一枝取ってきて水洗いして、葉っぱをはずします。だいたいティースプーン2杯分くらいになります。ポットに入れて沸騰したお湯を注ぎ5分ほど置いてから、カップに注いで飲みます。
たまたま、レモンの輪切りがあったので、一緒に入れてみました。出来上がりの色は、ほとんど透明で白湯みたいなんですけれど、飲んでみたらローズマリーの香りがほのかに立ち上り、レモンが緩和しているのか苦みもなく、心が落ち着くいいお味でした。おなかの中までポカポカ温まりました。近いうちにまた作る予感。
チンキ
上の二つのように「いますぐ使える」という良さはありませんが、一つくらいやってみてもいいでしょう。
チンキとは、乾燥ハーブをアルコールに漬けて成分をじっくり引き出したもの。生の葉でもOK で(そう来なくちゃ)、その場合は乾燥の倍の量を使います。日本では聞きなれないけれど、ヨーロッパでは「家庭の薬箱」みたいな感じでお馴染みなんだそうです。その存在は知っていたけれど、もっと面倒なのかと思っていました。作り方はいたってシンプルでした。(だからやってみたんですけどね。)
<準備するもの>
<作り方>
このまま、3週間から1か月、冷暗所に置いてから、ハンドクリームを作ったりとか、様々なものの材料にします。なにか作ったら、また報告しますね。
チンキの瓶を見て長女が、「母がまた怪しい瓶詰を作り始めた。元気になってきた証拠だ。よかった。」と言いました。確かに、味噌とかたくあんとか梅干しとか、様々なシロップとか、なんやかんやと作るのは好きです。もう20年ほども前に『秘密の手作り保存食』という本を本屋さんで衝動買いして以来、保存食づくりは秘密めいていてワクワクします。でも、元気じゃないと、やりませんよね。
今年の秋は、何の保存食を作りましょうかね? 甘酸っぱい香りを閉じ込めたリンゴジャムなんかどうでしょうね? 香りの秋&食欲の秋。これも「秋の空気」が一役買っているのでしょう。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
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