肘頭骨折コツコツ日記

肘頭骨折してからボルトを抜くまでの227日。毎日コツコツ更新しました。

227日の間に浮かんださまざまな疑問

 抜釘手術後24日目、退院後約2週間です。

 今日は、肘頭骨折患者として過ごした227日間に、頭の中に浮かんだ様々な疑問や、私なりにたどり着いた答えを振り返ります。

 

疑問1 わらにもすがる思い 病院のリハビリ以外にも何かしたい

 大けがをして手術して退院して・・・自宅療養に入ってにわかに関心が高まったのが、セルフリハビリ。自分で何とかできることを少しでも試してみたい。当たるも八卦当たらぬも八卦。それはもう涙ぐましい想いの結集です。

 とにかく骨をくっつけなくては・・・と、リサーチしたサプリ、食品は数知れず。結果、今でも続いているのが雪印メグミルクの「毎日骨ケア」というドリンクの通販と、明治乳業の「ミルクで元気」という乳飲料の宅配です。こういうものに関しては、何より「お財布との相談」かなあと思っています。それから安全性も。この2つがクリアできたならば、やってみたらいいのではないでしょうか? 心も折れそうになっているときに、商品と一緒に届けられる冊子から健康情報を得たりして、何かと励みにもなります。気持ちが元気にならなくては。

 一方、こうした食品摂取ではなく、身体に直接力や熱などを加えること(整体など)については、慎重であった方がいいと思っています。

 退院後も、病院にリハビリに通うように指示されるのは、素人ではなかなか難しい身体の状況であるからに他なりません。病院のリハビリとは別に、整骨院の治療を受けることについては、病院側の考え方は全否定的です。整骨院で施術をするのは柔道整復師、病院のリハビリは理学療法士というように棲み分けがはっきりしているからこその意見なのでしょう。

 整骨院で優れた治療をされている例は数えきれないほどあるでしょうが、病院でリハビリに通っているのならば、それ1本にした方がシンプルなのではないかと、患者側の私も思いました。

 病院でのリハビリとは別に整骨院に通うと、治療費に保険は適用されません。腰痛とか膝の痛みとか、慢性的な痛みで病院にいっても湿布を出されるだけでらちが明かないときなどは、整骨院を考えるのはひとつの手かなと思うし(この場合は保険が適用されます。)、病院では改善されなかった状況に光が見えることは大いにあるでしょう。けれども、病院の治療にリハビリがセットされているならば、理学療法士の先生を信じて治療に専念したらいいのではと思うのです。病院にはそれまでのカルテもあります。レントゲン設備もあり(整体院にはそうした設備はありません。)、主治医と連携を取りながら治療が進められるという安心感があります。つまり、シンプル。

 リハビリの先生に物足りなさを感じたら、主治医に相談してもいいでしょう。また、すごく勇気のいることかもしれないけれど、思い切って病院を変えるという選択肢もありかと思います。退院後のリハビリは、すごく大事です。骨折して手術して終わりではありません。リハビリこそ、快復のカギを握っています。そう思えば、リハビリに定評のある病院に転院するというのは、自分にとって大切なこと。一生付き合っていく身体なのですから。

 こんなことを言っている私がリハビリの先生に全幅の信頼を寄せていたかというと、それはどうかなという感じです。先生はこの仕事を始めて1年目という超若者で、正直心細い反応の時もありました。でも一緒にすごく悩んでくださり誠実さを感じたので、信じてついて行こうと思いました。

 だからでしょうか。一抹の不安から、私も整骨院以外のさまざまな民間療法についてリサーチしてみました。整体に通うことは、まず選択肢から外れました。まだ壊れている自分の身体を他人に預けるのはあまりに不安だったからです。病院のリハビリだからこそ、マッサージ中も安心できたのです。

 他人に身体を任せられないとなると、次に考えたのはセルフマッサージやセルフストレッチです。特に注目したのはストレッチでした。骨折したのは肘頭ですから、肘の関節が癒着してガチガチでした。これを少しでも剥がしていこうと、自分でゆっくりゆっくりストレッチをしてみました。本や雑誌の記事を大いに参考にしましたが、大切にしたのは自分の体の中から聞こえてくる声です。肘の関節部分については決して無理せず、「気持ちいいけど痛い」の一歩手前でやめるようにしていました。リハビリの先生からの指示ならばともかく、自己流で逆に痛めてしまっては元も子もありませんから。

 民間療法でハマったのはお灸です。せんねん灸のレギュラーを買ってきて、ちょっと痛いかなというときにちょいちょいモクモクしていました。家族は「あやしい」と怖がっていましたが、ピンポイント的にじんわり温かくなって気持ちよかったです。痛いときは温める。これは治療中を通して実感したことです。体中の節々が痛くてたまらないときは、スーパー銭湯に行って温まりました。そのうち、あまり痛くなくても、自分へのご褒美的に休み前の金曜日に通うようになりました。気持ちいいから。

 気持ちいいかどうか・・・これ、様々な場面で判断基準になると思うのです・・・ 身体の声は正直。

 この項目においては、本当に個人的な見解です。すみません。

 

疑問2 ボルトを抜くか抜かないか?

 さて、退院後の試行錯誤を経て肘の曲げ伸ばしができるようになり、骨の癒合の目安である6か月(骨折部位や骨折の状態により個人差があります)を過ぎますと、そろそろボルトを抜く話が出てきます。ここで新たに持ち上がってくる疑問が、そもそもボルトを抜くかどうか?

 「アメリカではボルトを抜くことはまずない。なぜ日本人は抜きたがるのか?」なんて記事を目にしますと、「そ、そうなんですか?」と焦ったものです。

 けれども、抜くなら「今でしょ!」。1年を過ぎると、だんだんボルトが骨に取り込まれ、抜くのが困難になるそうです。ましてや数年経ってしまうと・・・。事実、前回の入院の時に同じフロアにいた患者さんは、10年前に足首を骨折したときのボルトが不具合を起こし、足首を曲げることができなくなったため、ボルトを抜く以外の方法で治療中とのことでした。もっともこれは、めったにない事例なのでしょうけれども。

 アメリカでは抜かないと言いますが、では、アメリカの医療事情は絶対に正しいと言えるのか? 今回の新型コロナウィルス感染拡大において、アメリカでは最初「医療現場以外での一般人のマスク着用はあり得ない。なぜ、日本人は予防のためにマスクをするのか?」と言っていましたね。それなのにある時を境に、アメリカはマスク着用を呼びかけるようになりました。何が正しいかなんて、ずい分後になってみないとわからないのかもしれません。「アメリカが・・・」という理由だけでものごとを判断するのは、ちょっと違うのではないかなあと思いました。

 私のボルト抜きは、こうしたコロナマスク云々議論以前のことでしたが、異物は取り除いた方がすっきりするかなあという思いと、当然取るだろうということで治療が

進められていたというのが、その理由です。肘の下の方に、明らかに変な出っ張りがあって、レントゲン写真と照合するとボルトの先端部分が皮膚のすぐ下にあることがわかりました。なんだか気持ち悪かったのも、抜く決心の後押しになりました。

 病院では、積極的に「抜きましょう」とはいいませんでした。抜くだろうという前提のもとに「抜きますか?」と聞いてきました。絶対に必要な治療ではない。決めるのは本人の責任なんだなと感じました。

 結果として、私は抜いてよかったと思っています。うまく言葉では言い表せませんが、肘の内部の何とも言えない違和感がなくなりました。ただ、これは個人差のあるデリケートな問題です。私がここに書きましたことも、本当に個人的な感想であることをご承知おきください。

 

疑問3 全身麻酔は怖い?

 ボルトを抜くことを決心し、抜釘手術の日程も決まりますと、今度は手術を受けることへの緊張感が高まってきます。全身麻酔ですからね・・・ 

 サインする前によく読むようにと渡された手術への同意書、読めば読むほど怖いことが書いてあります。前回の手術は、もう痛くて痛くて「とにかく手術をしてください。全身麻酔? ああ、どうぞどうぞ。」って気分だったけれど、今度はたっぷり考える時間がありますから。目が醒めなかったらどうする? 後遺症が残ったらどうする? そもそも絶対にしなくてはならない手術ではないんでしょ? なんかあったら後悔しちゃう・・・

 でもね、麻酔をしないで手術することはできませんからね。手術をするなら仕方がないよ。たいていの場合は大丈夫。

 私の場合、最初の手術は全身麻酔で2時間を超えましたが、抜釘手術は30分程度。しかも全身麻酔ではなく神経ブロックと静脈注射でした。全身麻酔は呼吸も自分ではしなくなるので、人工呼吸器をつけたりします。これに対して神経ブロック&静脈注射は、静脈注射によって眠らされ神経ブロックをすることで痛みを感じなくさせる・・・というものらしいです。似て非なるもの。全身麻酔の時は病室で目覚めてからの記憶しかないのですが、抜釘手術の時は、手術中に意識が戻りました。「今から抜糸しますからねー」なんて言われて、ゴンゴン衝撃が左腕に伝わってくる。(痛くはないです。衝撃だけ。) 麻酔が切れてくるときの辛さも、全身麻酔の比ではありませんでした。

 そういうわけで、心配していたようなトラブルはなかったのですが、私の場合ひとつだけ副作用がありました。それは蕁麻疹。全身麻酔の時も同様の症状がありましたが、ギプスかぶれかなあと思っていたんです。今回はギプスはしなかったし、包帯もすぐに取れたのに、左腕一面に蕁麻疹。手術の同意書を改めてよく読んだら(実は怖いので、さーっと流し読みで済ませていました)、蕁麻疹の副作用がでることがあると書いてありました。「あ、これじゃん。」と腑に落ちました。

 麻酔の副作用は、程度は別として、まあまあな確率で起こるのではないでしょうか。人によってどんな副作用が出るかは違ってくる。その人の、もともと弱い部分に出るのかもしれない。だから、「全身麻酔(その他麻酔)は怖いか?」と聞かれれば、やっぱり怖いと私は答えてしまいますが、最終的には医療スタッフを信じて身を預けることになるのでしょう。私たちにできるのは、信じられる医療スタッフに恵まれるように医療機関を選択することだと思います。

 

 長々書いてまいりましたが、あくまでも私の個人的な感想です。これとは異なる様々な場合があるでしょうが、一個人の事例として肘頭骨折に悩む方々の参考になればと思い、綴らせていただきました。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 

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 最初の退院直後、友人が送ってくれたアレンジメントです。どんなに嬉しかったことか。アイビーは今でも元気です。(根が出てさらに成長中。生命力に勇気をもらう日々です。)

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