昨日は3か月ぶりの街道ウォークでした。骨折して以来、自転車の乗らなくなり、どこに行くにも電車・バス・そしててくてく徒歩移動。おかげで、久々のウォークの翌日ですが、今日は筋肉痛になっていません。これも怪我の功名?
もっとも昨日のウォークは4キロ超と、距離が短かかったせいもあるかもしれませんね。ウォークの様子についてはボチボチまとめていきますので、報告はもう少々お待ちください。今日は、ちょっとだけこぼれ話を。
昨日のルート、「府中(静岡駅)→丸子宿」のお土産チェックポイントは、何と言っても田尻屋総本家のわさび漬けと、石部屋の安倍川餅でした。両方とも街道沿いにあります。これは何としても立ち寄らなければ。特に餡子ものに目がない私としては、安倍川餅は外せません。
もう何十年も前のことですが、伊勢神宮に行って、赤福の出来立てを本店で食べたときには、びっくりしました。ほっぺたが落ちるというのは、まさにこのことなのではないかと思いました。もちろん、お土産物屋さんやデパ地下で買っても赤福はとても美味しいけれど、柔らかさとか食感が全然違うんです。
だから安倍川餅も、本場のを食べてみたいなあと思っていました。新幹線で「お土産に静岡名産安倍川餅はいかがですか?」と売りに来た(この頃はどうなんだろう?)あれとは、また違うんじゃないかしら?
石部屋(「せきべや」と読みます)は、東海道を西へ歩いていて安倍川を渡るとき、ちょうど手前にあります。安倍川餅の正真正銘の本家本元です。なにが本家本元かと言いますと・・・
慶長の頃、金山の視察に向かう徳川家康に餅を献上したとき「その餅の名は?」と聞かれ、安部川と金山の金粉にちなみ「安倍川の金な粉餅」と答えたところ、そのしゃれた返答が気に入られ、家康自ら「安倍川餅」と命名したのだと言われています。
以来、安倍川をわたる手前のこのあたりでは、名物になった安倍川餅を出す茶屋が軒を連ねて賑わったそうで、石部屋もそのうちの一軒でした。創業は文化五年。後発のお店とはちょっと違うのです。
さて、話をウォークに戻します。静岡駅からてくてく歩いてきて、いよいよ安倍川の手前までやってきますと・・・
ありました、ありました。でもこれ、やっているの?
本日休業かと思いましたよ。だって全然welcomeな雰囲気がないのですもの。
お店の前の道には、なぜか、いかつい雰囲気のこわそうなおじさんが立っていて、鋭い視線でチラリとこちらを見ました。な、なんなの?
「残念、お休みなのね」と通り過ぎつつ遠慮がちに扉のすきまから中をのぞいたら、「ん? やってる!」。よく見ると「営業中」という小さな札も出ています。
「やってるよ。よく見ろよ。」としたり顔のくろやぎ。(くろやぎとは、街道ウォークの同行人・夫) わかっているなら、早く言ってよね。
ガラガラガラ・・・ 引き戸を開けますと、ちょうど中から食べ終わった二人連れのお客さんが出てきました。(私たちみたいな、たぶん夫婦) 「ありがとうございました」を言われた様子もなく、こちらにも「いらっしゃいませ」というわけでもなく、「入っていいの?」と半信半疑でいますと、おかみさんらしき人に「二人なら奥に座って」と言われました。「メニューはそこ」といわれたところを見ると、見本があって、「黄な粉&餡子」の安倍川餅の他に、「からみ餅」と「わさび」も。へぇぇ・・。でもまあここは、普通に「黄な粉&あんこ」だよねと思っていると、「早く注文してさっさと座って」みたいな圧を感じましたよ。
注文すると、あらかじめ用意してあったお餅に、店主(おそらく)がささっと黄な粉と餡子をまぶします。あ、ちなみに店主(おそらく)とは、さっきお店の前で眼光鋭く立っていた人です。もしかして、お客さんが来るかどうか、様子を見ていたの?
こちらが、運ばれてきた安倍川餅です。大変美味しかったです。期待通り。
餡子が甘すぎない。お餅はとてもやわらかいです。それから特徴的だったのが、黄な粉自体は全然甘くなくて、上に白砂糖がかかっていて、これを少しずつまぶしつけながら食べるようになっています。変わっているなあと思ったのですが、本来、この食べ方をしていたのだそうです。(お土産に買ったものについていたしおりに書いてありました。) さらに、安倍川餅は、当時めずらしかったこの白砂糖がそもそも評判を呼んだのだとも書いてありました。人気の理由は、お砂糖だったの? 餡子でもお餅でもなく? 面白いですね。
食べ終わりますと、今度はさっさと出て行くべしという圧を感じましたので、即お会計。お土産を買いたいというと、「あ、買うの?」みたいな(言わないけど)クールな反応。それでも、「横にしないで持って行って。帰ってから、冷蔵期には入れないで明日の12時までには食べるように。」と言われました。的確な指示。
お会計を済ませますと「ありがとうございました」と言われましたが、ちっとも「ありがとう」と聞こえないのが面白い。なんなのでしょうね?
でもね、嫌な感じはしなかったんですよね。お餅、美味しかったし、老舗ってこんなもの?
食べログの口コミを見ますと、10人中8人が、このぶっきらぼうな対応を語っていて可笑しかったです。この日、たまたまご機嫌が悪かったわけではなく、こういうお店らしい。
家に帰って、お土産の安倍川餅を食べました。
平らに持って来ることができた自信がなく、寄ってしまったかなと心配していたけど、そんなことはなかったです。きっちり詰まっているから大丈夫。詰め方、ちゃんと考えている。さすが。
味は、お店で食べたのよりは、お餅がやや締まっていたけれど、十分美味しかったです。これもさすが。
それにしても、最高に不愛想なお店だったなあ。「元祖の看板を掲げているのも大変なんじゃないの? 味を落すこともできないし、接客の方まで気を使っていられないんじゃない?」とくろやぎと石部屋さんについて、安倍川餅を食べながら勝手に語ってしまいました。
もう一度、お店に行ってみたいかって? うーん・・・どうかな?
今日もお訪ねくださり、ありがとうございました。
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