肘頭骨折コツコツ日記

肘頭骨折してからボルトを抜くまでの227日。毎日コツコツ更新しました。

肘頭骨折 術後165日目 田尻屋のわさび漬け

 一昨日は骨折以来、2度目のウォーク「府中→丸子」を実施することができました。またこうしてウォーキングができるようになり、嬉しいことです。まもなく抜釘手術で再び中断となりますが・・・ 抜釘手術、結構怖そう。だんだん心配になってきました。前回の手術は、怖がる暇もなくあれよあれよという間に終わりましたが、予定されての手術となると・・・

 とりあえず今日は現実から目を逸らして、先日のウォークについて書きます。いつものレポートは後日と言うことで、今日は昨日に続き、お土産についてです。

 

 「府中→丸子」ルートでチェックしたいお土産スポットの二つ目は(一つ目は昨日書いた石部屋の阿部川もちです。)、田尻屋のわさび漬けです。こちらも街道沿いにあります。うっかりすると見落としてしまいそうな、小さなお店です。安倍川もちの石部屋は、休業中かのような雰囲気でしたが、そういうわけではなく、どこにでもありそうな普通の店構えです。

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 「田尻屋総本家」は、創業宝暦三年(1753)。元祖わさび漬の製造元で、現在八代目。

 お店の引き戸をそろりそろりと開けますと、年配の女性の方が迎えてくださいました。いかにも通りがかりの旅人っぽい私たちを見て、味見してから買ってくださいとおっしゃいます。「うちのは本当に辛いので」と。300円のと500円のがあって、どちらにしようか考えていたのですが、辛くて持て余してしまってはもったいないので、この辛さをどう感じるかで買う量を決めた方がいいというのです。良心的なお言葉に、好感度◎。

 さっそく、スプーンですくっていただいたのを口入れてみますと・・・確かにこれまで食べてきたものより辛いかな? 私もくろやぎ(街道ウォークの同行人・夫)もわさび漬はかなり好きで、いつもあっという間に食べてしまうので、300円ではやっぱり物足りないかも、などと考えていると、別のお客さんが入ってきました。

 予約しているというその人は、慣れた感じで、樽で買っていきました。常連さんかな?

 300円だと説明のしおりが付いていなくて、500円だと付いているという親切な但し書きもあり、しおりがほしかったのも500円にした決め手となりました。

 白菜漬けにちょっと入れてもいいし、ご飯にのせて海苔を巻いても美味しいですといいながら、包んでくださいました。因みに私はいつも、ご飯に乗せる派です。海苔は巻かず、お醤油もつけません。店内には、さりげなく有名人の方々のサインも。樽の蓋の裏側にやなせたかしさんがサインされたものも飾ってあり、目を引きました。

 お店の方の応対が、親切でとても感じがよかったです。よい印象を抱きながらお店を後にしました。この後、昨日書きました安倍川もちの石部屋の塩対応に遭遇するわけですが、対照的です。ふりかえるにつけ、なかなかおもしろいです。

 

 こちらが買ってきたわさび漬けです。

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 早速ご飯に乗せていただきましたが、ん? か、からい! なんか、お店で味見したときより敏感に反応してしまいました。ツーンが強烈です。でも、これがたまらないんですよね。ひーひー言いながら、食べています。

 

 中に入っていたしおりです。

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 なかなか詳しい説明が載っています。

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 初代は、天然の根わさびを売っていたのですね。

 わさび漬けを始めたのは、どうやら三代目のようです。江戸時代に、わさび漬の売り込みのために江戸まで行って試食をさせたとは、すごいフットワーク。現代のビジネスノウハウも持っていて、なかなかの人物でしたね。

 写真の五代目は、義侠心に富んだ人で、明治時代に当時の失業者を救い、またわさび漬けの商法も惜しむことなく教えたので、同業者が増えました。現在有名な田丸屋も、この時教えてもらっっているのです。五代目の店主には恩義を感じて、田尻屋方面に足を向けては寝なかった人がたくさんいたとか。この時の帳簿や証文、ガラス写真は、現在も田尻屋で家宝として保管しているそうです。へぇぇぇ・・・。

 

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 五代目が、わさび漬けの製法を秘密にすることなく教えた田尻屋ですが、「元祖とは、わさび漬を一番初めに売り始めた当店のことを言い、他は皆後発。元祖は当店一軒だけ」という文章に、老舗のプライドが詰まっています。

 

 わさび漬けは大好きだったけれど、田尻屋は知らなかったです。ゴメンナサイ。

 

 デパ地下にも駅の売店にも売っていません。このお店に来ないと買えません。

 静岡駅から徒歩20分くらい。また来るかもしれません。そんな予感がする出会いでした。

 

 

 今日もお訪ねくださり、ありがとうございました。

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